黒の建築家!Balenciaga(バレンシアガ)の軌跡
はじめに:スペインからパリへ、シルエットの革命
Balenciaga(バレンシアガ)は、1919年にスペイン・サンセバスチャンでクリストバル・バレンシアガによって創設され、
1937年にパリで本格的なクチュールメゾンとして花開きました。
ディオールが「我々すべての師」と称し、シャネルも「素材を自ら裁てる唯一のクチュリエ」と評したように、その立体的なシルエットと縫製技術は伝説的。
現在ではクチュールの遺産とストリートの挑発を融合させるブランドとして、モードの最前線を走り続けています。
ブランドの基本情報
- 創設者:クリストバル・バレンシアガ(Cristóbal Balenciaga)1895年 – 1972年
- 設立年:1919年(スペイン)、1937年(パリ・クチュールハウス設立)
- 本社所在地:フランス・パリ
- 企業形態:ケリング(Kering)傘下
- 現クリエイティブ・ディレクター:ピエールパオロ・ピッチョーリ(2025年5月就任)
- 主力商品:アパレル、バッグ、シューズ、アクセサリー、クチュール
- 象徴的特徴:構築的シルエット、革新的素材、建築的デザイン
歴史:クチュールからストリートへ
- 1919年:スペイン・サンセバスチャンで創業。富裕層の支持を得る。
- 1937年:パリに進出し、クチュールハウスを開設。
- 1950〜60年代:サックドレス、バルーンジャケット、コクーンコートなど革新的なシルエットを発表。
- 1968年:バレンシアガ本人の引退と共にメゾン閉鎖。
- 1986年:復活。1997年にニコラ・ジェスキエールが就任し、未来的なスタイルで再評価。
- 2001年:ケリング(当時グッチ・グループ)が買収。アイコンバッグ「Le City」が登場。
- 2015年:デムナ(Demna)がディレクターに就任。スニーカーブームをけん引。
- 2021年:53年ぶりにオートクチュールを再開。
- 2025年:ピエールパオロ・ピッチョーリがクリエイティブ・ディレクターに就任。

デザインの特徴
- 構築と解放:体を締め付けない立体シルエット。
- 素材の革新:シルク・ガザルなど新素材を開発。
- ストリート性:デムナ期はオーバーサイズやスニーカーで若者カルチャーを反映。
- 建築的美学:布を建築のように扱い、服を“構造物”へと昇華。

ブランドラインと展開
- Balenciaga Couture:2021年再開。アトリエと専用サロンを再建。
- Ready-to-Wear(Men/Women):ラグジュアリーとストリートを融合したライン。
- Balenciaga Objects:ライフスタイルやホーム、ペット用品まで展開。
- Balenciaga Music:コレクション連動のプレイリストやNFC内蔵グッズを発表。
- Balenciaga Kids:2017年に始動した子ども向けライン。
代表的アイテム
- Le City バッグ:2001年デビュー。ソフトレザーとスタッズで一世を風靡。

- Speed トレーナー:2016年誕生。ソックススニーカーの代表格。

- Triple S:2017年の厚底スニーカー旋風の火付け役。

- Hourglass バッグ:ブランドの建築的カッティングをバッグに落とし込んだ定番。

- サックドレス/バルーンジャケット:クチュール時代の革新作。

着こなし例とスタイリングの幅
- モードMIX:黒のジャケット+Hourglassで知的に。
- ストリートMIX:オーバーサイズトップス×Triple Sで都会的に。
- クラシカル:ドレスラインで本格的なクチュールの品格を演出。
- ユースカルチャー:デムナ期のロゴTやスニーカーで若者的スタイルに。
コラボとカルチャー
- Gucci × Balenciaga(The Hacker Project):ブランドのコードを“ハッキング”し話題に。
- Fortnite コラボ:ゲーム内スキンとリアル商品を同時展開。
- 音楽シーン:BFRNDが音楽を担当。プレイリストも発信。
トリビア:知っておくと語れる小ネタ集
- ディオールが「我々すべての師」と称えた唯一のデザイナー。
- ココ・シャネルは「素材を自ら裁てる唯一のクチュリエ」と絶賛。
- 1957年のサックドレスは「腰がない」と批判されたが、その後シルエット革命として再評価。
- シルク・ガザルはバレンシアガのために開発された特別素材(今はウェディングドレス等で使われてるみたい)。
- 本拠地10 Avenue George Vは、クチュール再開の舞台として復活。
- スペイン・ゲタリアにはCristóbal Balenciaga Museumが建てられている。
- 2022年には広告の不適切表現が問題となり謝罪。ブランドの社会的責任が議論に。

ピエールパオロ・ピッチョーリ体制での今後の方向性
2025年、Balenciagaのクリエイティブ・ディレクターに就任したのが、
長年Valentinoを率いてきた ピエールパオロ・ピッチョーリ です。
彼は「ロマンティシズム」「色彩美」「人間性への温かい視線」で知られるデザイナー。
これまでのBalenciagaの“挑発的でアイロニカルなデムナ流”から、大きな方向転換が起こると予想されています。
1. クチュールと色彩の復権
- Balenciagaは元来「黒と建築的フォルム」で知られていますが、ピッチョーリはValentinoでピンクやレッドなどをシグネチャーにし、色彩をブランドのDNAへと昇華させました。ここが気になるポイントですよね!
- その感性がBalenciagaに持ち込まれることで、「黒の建築」に「鮮やかな色彩のドレープ」が加わり、新しいクチュール的表現が再び脚光を浴びる可能性があります。
2. 人間性と多様性の強調
- ピッチョーリはValentino時代から「キャスティングの多様性」を大切にしており、年齢・体型・人種にとらわれない包容力あるファッションを提案してきました。
- Balenciagaの“性別やシルエットを超える自由”という伝統と共鳴し、よりヒューマニズムに根ざした方向性が打ち出されるでしょう。
3. ストリートからポエティックへ
- デムナ体制ではロゴTやスニーカー、ゲームやネットミームを取り入れた「ストリート×皮肉」が中心でした。
- ピッチョーリはそこに「詩的でロマンチックな感性」を重ね、ストリートの強さ+クチュールの詩情という新しいBalenciagaを創ると見られます。
4. サステナビリティとクラフトの深化
- ピッチョーリは環境や職人技への敬意を強く打ち出してきた人物です。
- Balenciagaが近年力を入れている「サステナブル素材の導入」「クチュール技術の再評価」と自然に接続し、“クラフトを守りながら未来を拓く” ブランド像が確立される可能性があります。
Balenciagaがもたらす社会的価値
- 自己表現の自由:性別や体型を超えて着られるデザイン。
- クラフト継承:クチュール技術を次世代に残す役割。
- 文化実験の場:ストリートからデジタルまでを巻き込み、モードの地平を拡張。
まとめ:建築する布、挑発する未来
Balenciagaは、クリストバルの遺した“構築と革新”を現代に引き継ぎ、挑発と実験を繰り返しながら進化してきました。
クチュールの美しさとストリートの自由さ。両極の間に立ち、モードを更新し続ける存在——それがBalenciagaです。
ずっとトレンドの最先端にいるブランドだから歴史が浅いと思われがちですが、
実は1919年から存在する超歴史あるブランドなんです・・・!
永遠にかっこいいんですよねえ・・・

